お口の健康 第1回「人は口から老いる?」

「サルコペニア(筋肉量減少症)」と負のサイクル

お口の健康について

人間というのは、身体・精神・社会性の3つの側面から弱っていきますが、最も大きな影響を持つのがからだの虚弱です。からだの虚弱の本質は筋肉が減少していくことで、からだを動かす筋肉が細って減ってきたということです。この筋肉の減少をサルコペニア(筋肉量減少症)といいます。

サルコペニアには食べる機能の低下が食事摂取量・たんぱく質の低下を引き起こすサイクルがあります。食べる機能の低下は「歯が抜けること」であり、それによってひきおこる口腔機能の低下によるもので、口の周囲の筋肉やかむ筋肉の量も減少します。

つまり口のサルコペニアが起こり、これで食べられなくなり、続いて全身のサルコペニアからさらに口腔の筋肉が減少するというサイクルが完成します。低栄養からサルコペニアになる前に、「入れ歯を入れて噛める口に」改善できたら要介護への道を先延ばしにできるということです。このように「口の衰え」が身体の衰えと密接に関わっているので、医科との連携は非常に重要です。


5つのテーマに沿って連載します

大阪府歯科保険医協会の協力を得て、5つのテーマで連載します。具体的には、「人は口から老いる?」「歯の数が多いほど認知症にならないか?」「歯を失うと転倒リスクが高くなる?」「歯の数が寿命に影響する? 」「元気な人は知っている。お口の健康が老化予防につながる理由」という5つのテーマです。

身体もお口も健康に-オーラルフレイル-