新型コロナワクチン3回目接種について

この2月コロナワクチン3回目接種が始まり、当初、西淀病院は一般接種の医療機関として登録しました。
過去の接種実績(1ヶ月2000人以上)があるため、それに応じて供給されると判断して取り組みましたが、2月供給されたワクチンは360人分だけでした。3月も同様の状況が続き、大阪市に対し供給量を増やす様再三要請しました。

しかし、期待通りの供給はなく、リスクの高いかかりつけの方のワクチンの確保が困難と判断し、急遽一般接種の医療機関の登録を取り消しました。このような理由から、多くの皆さんにご迷惑をおかけした事をお詫び致します。状況が変わり次第お知らせします。ご理解頂きますようお願いします。

コロナ禍でも健康診断を受けましょう!

新型コロナウイルス感染症への感染の懸念から、健康診断の受診控えが続いています。自覚症状が現れにくい病気は少なくありません。2人に1人はかかると言われている〝がん〞も、早期がんでは無症状であることがほとんどです。

西淀病院をはじめ淀川勤労者厚生協会各診療所では「健康診断実施時における新型コロナウイルス感染症対策について」や「院内感染防止のガイドライン」等に基づき、感染対策に取り組んでいます。

ぜひ、この秋、淀協の健康診断を受けましょう。

暑さも少しやわらいで来ましたが、今年度の健康診断はもうお済みでしょうか?
40歳以上の大阪市国民健康保険加入の方、一部の社会保険扶養家族の方、後期高齢者医療制度加入者の方に対して受診券がすでに届いているかと思います。大阪市在住の方は受診券を使い、お得な健診も準備しています。

◎社会保険本人でもがん検診

社会保険本人の方でも大腸がん検診・胃がん検診・乳がん検診・子宮がん検診・前立腺がん検診など、会社で受ける機会がないものについては、大阪市の制度を利用してうけることができます。

◎40歳未満や市外の方のコースも

40歳未満の方や大阪市以外在住の方でも受けていただくことができるコースもあります。

◎新たに、前立腺がん検診も

大阪市では、今年度から新たに『前立腺がん検診』がはじまりました。対象は50歳・55歳・60歳・65歳・70歳の男性の方です。対象年齢の方でこれまで受けたことがない方は、是非受診をおすすめします。

前立腺がん検診が始まりました|大阪市

◎昨年に比べて受診者減

西淀病院では2020年度の健診受診者数は2019年度に比べて約11%、件数では約1170件減少しています。

◎がん発見の遅れ

受診の延期による「がん発見」の遅れなどが危惧されます。ご自身の健康管理のために年に一度は健康診断を受けましょう。
健診の詳細につきましては、淀協内の診療所・西淀病院にお問い合わせください。

※病院・診療所の電話番号は以下の通りです。

西淀病院   : 06-6472-1141

千北診療所  : 06-6473-1864

姫島診療所  : 06-6473-5151

FCあい   : 06-6150-2051

FCなごみ  : 06-6300-5517

新型コロナウイルス感染症対策のとりくみ

命は平等をかかげ「断らない」医療を実践します

2020年は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界でも日本でも、私たちの生活様式を変え、価値観を変え、社会の在り方を問いだした1年半でした。第4波を迎えた大阪では最多の感染者数と死亡者数を更新し、医療体制が限界を超え通常医療がいよいよできなくなり、様々な場面で手遅れになるという事態に直面していました。

新型コロナ感染症対策本部を立ち上げ、学習を進める

西淀病院では、2020年1月末に急にサージカルマスクやN95マスク、アルコール消毒液など感染対策に必要な衛生材料が入らないという困難に直面しました。

異常事態と判断し、すぐに「新型コロナ感染症対策本部」を立ち上げました。同時に「当院で対応可能な疾患・病態であれば、断らず診療を行う」という方針を職員に通達し、全職員(受付委託会社職員含む)に対して接触飛沫感染対策の学習をすすめ、ICD(感染制御医師)によるCOVID-19の正しい知識と対応の学習会を開催しました。

職員の不安とストレスの増強と対応

2020年4月に入り、独歩で入院した初めての陽性者で呼吸状態が悪化し、人工呼吸器を装着して重症受け入れ病院へ転送をしました。また外来では遠方からの救急搬送など、搬送数が過去最高となり、外来到着と同時に人工呼吸器装着に至った患者も発生して、対応する職員の不安とストレスが増強しました。対策本部から「新型コロナウイルス感染症から私たちと地域の患者さんを守るために行うべき9つのこと」を発出し、連携病院の精神科医の協力、法人窓口のカウンセリングなどの対応をしました。

コロナ受け入れ病床届け出を

5月8日には、より厳密にゾーニング(コロナ感染患者の病原体によって汚染される区域と汚染されない区域を分ける)を行うため、陰圧テント外来を駐車場に設置し、法人内看護師の支援も受け診療を行いました。緊急事態宣言が明け感染が一定落ち着いた段階で、院内ゾーニングでの通常診療に戻しましたが、すぐに第2波が訪れ、病院外での発熱外来を現在も継続しています。そして大阪府からの要請に応えて、2021年2月3日よりコロナ受け入れ病床を届け出ました。

深まった地域医療連携

救急搬送依頼の増加に異常な変化を感じ、情報共有を目的に2020年3月19日に、西淀川区内の急性期2病院でコロナ対応の情報共有を行いました。その後、区医師会、区役所と新型コロナウイルス感染症西淀川区合同対策会議を開催しています。この連携により、2病院の発熱外来への区医師会の医師にも、出務協力をしていただき大変助かりました。

最大の第4波を迎え

変異株が中心となった「第4波の危険性」は、若年層でも重症化し亡くなる方がいる一方で、乖離した人々の行動(『慣れ』)のため人の移動が止まらないことでした。感染力が高く、重症化の速度は速く、発熱外来に自分で歩いて来た方が、病院に到着した頃には低酸素ですぐに人工呼吸が必要になったケースを何度か経験しています。本来入院が必要でも自宅療養せざる得ない方たちの中から死者を出したくないと、陽性者の中でも病状で気になる方へ健康確認をしようと法人内診療所とも連携をしています。

連携を強め「断らない」医療の継続を

区内対策会議は現在、他の2病院、区歯科医師会、区薬剤師会の参加もあり、医療機関対応とワクチン接種対応について会議をしています。西淀川区は、災害が起こった場合も孤立する可能性が極めて高い地域のため、行政も巻き込んだ日常的な地域連携が何より区民の命と生活を守ることにつながると確信しています。新型コロナウイルスはまだ収束していませんが、「断らない」医療の継続が、かけがえのない命を守ることに繋がるよう、今後も地域医療を支える一翼を担っていきます。

西淀病院看護部長 小玉裕加子

コロナ禍でアルコール問題が増加!

新型コロナウイルスの感染拡大により、飲食店に対して営業時間短縮等の政府の要請が出される中、自宅で飲酒する機会が増えていると言われています。外出自粛や在宅勤務などで時間を気にせず飲めるため、ついつい飲酒量が増えてしまうことが懸念されています。

総務省統計局が発表した家計調査によると、家庭の酒類の消費は増加しており、特に緊急事態宣言中であった昨年4〜5月は前年比で約25%増となっています。

コロナ禍で増えるアルコール量

私たちが入院等で関わる患者さんの中でも、コロナ禍によるアルコール摂取量の増加で体調を崩される方が増えていることを実感しています。

患者さんから事情を伺うと、「新型コロナの影響により仕事がうまくいかず、ストレスからお酒に走ってしまった」「元々お酒が好きだったが、自宅にいることで飲酒量が自然と増えていった」「断酒を続けていたが、断酒会やAA(アルコホーリクス・アノニマス)などの自助グループが人数制限や休会で参加できなくなり、一人で断酒を続けることが出来なくなった」などの声がありました。

西淀病院では入院患者が32%も増加

実際に当院のアルコール関連疾患入院患者の統計でも、2019年と比べ2020年は約32%増となっており、特にアルコール性肝硬変などの肝障害を起こされる患者が増加している傾向があります。

CAGE(ケージ)テストをしてみましょう

アルコール依存症スクリーニングテストとしてCAGE(ケージ)テストというものがあります。この4項目のうち、1項目でもあてはまればアルコール問題の可能性があり、2項目以上があてはまれルコール依存症の疑いがあるとされます。

お酒とうまく付き合いましょう!

コロナ禍での生活様式や働き方の変化により、ストレスや疲れが溜まっている人は多いと思います。気晴らしのためにと思いついつい飲みすぎてしまわないように、お酒とうまく付き合っていく必要があります。

アルコール依存は一人ではなかなか抜け出すことが出来ず、適切な支援や治療が必要な病気です。この機会に、自身の生活を振り返ってみてはいかがでしょうか。

アルコール依存症などを防ぐための注意事項

●仕事、勉強、運動など定期的な活動スケジュールを作成する
●適切な睡眠や食事を心掛けて健康を維持する
●瞑想など自分に合ったリラックス法を取り入れる
●会話、食事、家事などを通じて家族と充実した時間を過ごす
●不安で暗い気分になるニュースや情報を減らす
● 信頼できるメディアから1日に1回か2回決まった時間に情報を得る
●在宅勤務の際には仕事と休憩を分けて時間を割り当てる
(※日本アルコール関連問題学会による)

第2回西淀川フードバンクに400人が参加

”助けて”といえる社会へ 地域での連帯を

コロナ危機の中、“助けてと言えない人に届けたい“との思いを胸に2月27日午後、第2回西淀川フードバンク(食料無料市場)が開かれました。雨の中開催された前回(1月24日)を大きく超える400人の方が参加されました。参加したボランティアは前日と合わせて100人以上に及びました。

当日は午後2時の開場を前に1時間前から100人以上が並ぶ長蛇の列。医師、MSW、弁護士による健康、生活、法律相談も行なわれ、今回は多くの方が相談に訪れていました。

参加した人からは「長引くコロナの影響で生活がいき詰まり途方に暮れていたが、こんなやさしさに触れ涙があふれた」「本国への仕送りで月3万円程度の生活の中で、ほんとうに命が救われる思い」などに声が次々と聞かれました。参加スタッフは「身近にこんなにたくさんの人たちが生活に困窮されているのかと驚きもし、“ありがとう”と言われ心が熱くなった」「ほんとうにやってよかった」などの感想を寄せられています。