いっしょに歩こう 福町編

今回は、桜咲く春の福町を訪れ、漁業の歴史探訪をしてみました。福町(旧福村)の地名の由来は、不詳ですが、『西淀川区史』(発行:西淀川区制七十周年記念事業実行委員会)などによれば、1644年(正保元年)に大野村の樋口忠兵衛によって新田開発されできた地域です。

新田開発とは、普通なら田んぼにできない土地を開拓して新たな田んぼを作ることです。江戸時代に入ってから領地の石高(土地の生産性)を上げるためおこなわれました。福は、新田開発の中でも町人請負新田といって江戸時代に裕福な町人が開発を請け負った新田地域です。しかし、水深が深いために埋め立ては困難を極めました。

このことから福村は、農村というよりは漁村として発展していきました。明治の頃には約200軒(村の戸数の約半分)が漁業を営み、ハマグリ、アサリ、サルボウ貝などの貝類の採取が有名で「貝の福」として名が知れ渡っていました。大正末期から昭和初期にかけて漁業は最盛期を迎え、「福村の道路は、貝殻でできている」とも言われました。ウナギ漁も盛んで専門の漁師がいたほどでした。

福住吉神社

福駅から桜満開の大野川緑陰道路を歩いて「福住吉神社」を訪ねました。福住吉神社は、福村の開発後、漁業従事者が増えたことから豊漁と航海安全を祈って1656年(明暦2年)に神崎川の川床に宮地(☆1)を築いて、住吉四柱大神(表筒男命、中筒男命、底筒男命、神功皇后)を勧請(☆2)しました。かつては、毎年8月17日に豊漁を祈願する「海神祭」も行われていたそうです。訪問した日、神社内は桜満開でした。

福の船溜まり

さらに大野川緑陰道路を歩き向かったのは、淀川対岸の此花区伝法とともに、大阪市内に残る数少ない漁港の一つである「福の船溜まり(福漁港)」を訪ねました。

現在も漁船が停泊しており、漁業最盛期の頃の漁船の往来の様子のなごりを残していました。また、淀川と接しており大阪市街地のビル群や大阪湾岸も望むことができます。

近くには、「新淀川公園」(百島1丁目)もあり桜が咲き誇るスポットとなっていました。ここでちょっと一息いれてみるのもいいものです。漁業が盛んだった福ですが、新淀川開削の影響や付近の工業地帯化により衰退していきました。

地域の方で当時のことをお知りの方は、ぜひ、編集委員会までご連絡ください。よろしくお願いいたします。


福住吉神社


福の船溜まり

お口から身体を健康に!

お口周りの衰えに気をつけて!オーラルフレイルって何?

加齢に伴い、気づかないままに身体と共にお口周りも衰えてきます。今回はそんなオーラルフレイルについてご提案してみました。

オーラルフレイルとは!

オーラルフレイルとは、「お口の機能低下や食べる機能の障害を含む身体の衰え」のことをいいます。

オーラルフレイルのセルフチェックをしてみましょう

下の「オーラルフレイルのセルフチェック表」をご覧頂き、ご自身でチェックしてみて下さい。

「健口(けんこう)体操」を始めましょう!

どうでしたか?「オーラルフレイルの危険性あり」や「オーラルフレイルの危険性が高い」と言う結果が出た方については
下の図のような、マッサージや体操に取り組んで下さい。続けて頂くことで食べ物が飲み込みやすくなったり、食べこぼしを防いだりなどお口の機能を高めていくことができます。頬の筋肉を鍛えて表情を豊かにすることもできるようになります。

定期的な歯科検診も受けましょう!

 「セルフチェック」や「健口(けんこう) 体操」についてお話してきましたが、歯科検診も大事です。むし歯や歯周病により歯を失うと、しっかり噛んで食べる事が出来なくなります。現在では、歯周病菌が唾液や血液と共に体内に入り込み肺炎や動脈硬化、糖尿病等に影響を及ぼす事分かってきました。
歯の健康チェック、歯科検診を定期的に受けましょう!

転倒予棒、転ばぬ先の新聞棒で まずはストレッチから!

コロナ禍で、外出自粛の為「閉じこもり」状態が続き、誰もが運動不足になりがちです。特に高齢の方は身体機能や認知機能が低下(フレイル)すると言われています。

今回は身体的機能の低下予防のための体操を一つ紹介します。
「棒体操」と言います。特に転倒やつまづきの際に起きる「バランスを崩した状態」学習し、転倒予防が期待できるそうです。

ここでは、「棒体操」の準備として行うストレッチ体操をほんの少し紹介します。できれば折たたみ式でない4本足の椅子を用意してください。(パイプ椅子でもいいですが、後方転倒の危険性に気をつけてください)

ばんざい
大きくバンザイします。

肩たたき
棒で肩をたたきます。

体をひねる
左右に体をひねります。

背中の後ろで受け取る
棒を背中の後ろに通して反対の手で受け取ります。

手で回す
手首を動かして、手の中で回転させます。

イラストの様な体操を5回ずつ行って下さい。

-棒の作り方-

  1. 新聞紙朝刊一部をご用意ください。
  2. 図の様に新聞紙の「縦の長さを棒の長さ」とするために開く側から棒状に丸めます。
  3. 筒状に丸めた新聞紙の中央と両端に目印になるように養生テープで止めます。(色はお好みで)

コロナ禍で、シニア世代が気を付けたいフレイルを予防しましょう!

友の会の皆様、めっきり涼しくなり、紅葉の季節となりましたね。
コロナ感染拡大を防止するために、三蜜(密閉・密集・密接)を避けるように!外出を自粛するように!と言われ、友の会活動も行えず、会いたい人にも会えないさみしい思いをされている方も多いのではないでしょうか。働きざがりの多くの方々も仕事が減り経済的にも厳しい状況下で、学校の勉強も詰め込まれ、楽しい行事も減り、かつ休暇が減ったりと、子どもも大人も厳しい生活が強いられています。

4月にもフレイルについて書かせてもらいましたが、家の中で閉じこもり生活が続き、昼夜逆転になったり、身体や頭の動きが低下したり、歩くことや身の回りのことなど、生活動作が行いにくくなったりして、フレイル(虚弱)が進んでいきますね。フレイルが進むと、体の回復力や抵抗力が低下し、自分で自分の事ができなくなり、要介護状態になっていくといわれています。(図1)

図1:フレイルという状態

 

身体のフレイルだけでなく、心のフレイル、そして社会的なフレイルもあいまってフレイルサイクルが回っていきます。この負の連鎖をいかに早期から断ち切るかがとても大事であるといわれています。

私の患者さまの中にも、仕事もなく一人で家でアルコール飲酒が増えた方や、病院の面会が禁止となり大切な家族と最期の時間を持つことができなかったり、夏場はデイサービスが中止となっていたことからあっという間に足腰の筋力が弱り、ようやく涼しくなり屋外に出たところで転倒したりと、コロナ時代には多くのストレスを抱えて過ごされている方々がたくさんいます。

フレイル予防の3つの柱

フレイル予防のための3つの柱として➀「栄養 (食・口腔機能)」②「身体活動(運動)」③「社会参加(仕事・余暇活動・ボランティア)」があり、それぞれ住民個々人が継続できるような形で取り組むことが必要であります。(図2)

このような時こそ、ご家族や友達、地域のつながりを活かして、電話や手紙、メールなども利用しながら、心のつながりを感じていきたいですよね。友の会活動もコロナ感染者状況を見ながら、屋外でできる取り組みから始めていければいいですね。

図2:フレイル予防のための3つの柱

 

フレイル予防としては3つの柱にそって➀栄養バランス(難しければ色どりよい食事を意識する)のとれた食事②規則正しい生活、家の中でストレッチや階段昇降、庭いじり、窓や床など体を目いっぱい使って掃除する、屋外でも人と距離を保ち合がら散歩やランニングをする ③電話などでお友達と話したり、室内でできる読書や手作り工作、園芸、裁縫、パズル、トランプなどで コロナに負けない体力づくりを進めていきましょう。

電話で人とのつながり

フレイル予防で健康を守ろう!

千北診療所 副所長 野口医師

フレイル予防で健康を守ろう!

フレイル予防で健康を守ろう!

 新型コロナウイルスで三密(密閉・密集・密接)を避ける為に外出自粛を余儀なくされ、身の回りの事など生活動作が行いにくくなっていませんか。今回は地域総合内科の野口医師にフレイル予防について書いていただきました。

 健康友の会の皆様、元気でお過ごしでしょうか?
 TVのニュースは新型コロナウイルス感染症のことばかりで、不安な思いで過ごされている事でしょう。また、感染拡大を防止するために、様々なイベント開催が中止となり、緊急事態措置として、三密(密閉・密集・密接)を避けるように!外出を自粛するように!と言われ、健康友の会活動も行えず、生活スタイルが一変している事でしょう。

適度な運動

フレイル予防の3つの柱

 もちろん、今は感染拡大を防止することが大事でありますが、一方、感染を恐れるあまり、家の中で動かない生活が長く続くと、昼夜逆転になったり、身体や頭の動きが低下したり、歩くことや身の回りのことなど生活動作が行いにくくなったりして、フレイル(虚弱)が進んでいきます。(図1)
 フレイルが進むと体の回復力や抵抗力が低下し、自分で自分の事ができなくなり、要介護状態になっていくといわれています。
 身体のフレイルだけでなく、心のフレイル、そして社会的なフレイルもあいまってフレイルサイクルが回っていきます。
この負の連鎖をいかに早期から断ち切るかがとても大事であるといわれています。
 フレイル予防のための3つの柱として①「栄養(食・口腔機能)」②「身体活動(運動)」③「社会参加(仕事・余暇活動・ボランティア)」があり、それぞれ住民個々人が継続できるような形で取り組むことが必要です。

心のつながりを感じて

 このような時こそ、ご家族や友達、地域のつながりを活かして電話や手紙・メールなども利用しながら心のつながりを感じていきましょう。
 そして、フレイル予防としては3つの柱にそって ①栄養バランス(難しければ色どりよい食事を意識する)のとれた食事 ②規則正しい生活、家の中でストレッチ(図2)や階段昇降、窓や床など体を目いっぱい使って掃除する、屋外でも人と距離を保ちながら散歩やランニングをする ③電話などでお友達と話したり、室内でできる読書や手作り工作、園芸、裁縫、パズル、トランプなどで笑顔を忘れずに過ごしていきたいものですね。

電話で人とのつながり

西淀病院 地域総合内科 野口医師