阪急十三駅西口を出て、十三筋沿いに15分ほど歩くと、右手に真っ白な壁が特徴的な教会が見えてきます。社会福祉法人博愛社の敷地内に立つ聖贖主(せいあがないぬし)教会です。
博愛社はキリスト教の「隣人愛」の精神に則り1890年に設立され、現在は「児童養護」「幼児教育・保育」「高齢者」「特別支援」の4つの事業を展開する大阪を代表する社会福祉法人です。

さて、聖贖主教会は1934年の室戸台風により初代の礼拝堂が倒壊したのちの1936年に、多数の名建築を残したヴォーリズの設計により完成しました。鉄筋コンクリート2階(塔屋は3階)という立派な建築で、2022年に有形文化財として登録されました。
この教会には、定例行事がある時以外は午前8時〜午後5時まで、誰でも自由に立ち入ることができます。
中に入ると十三筋の車の音がぐっと遠くなり、まるで別世界に来たような感覚にとらわれます。木製の床板の階段を上ると2階が礼拝堂です。正面には十字架に磔にされたイエスをかたどったステンドグラスがあり、左右には壁面の下から上まで使った、縦に細長いアーチ状の窓がいくつも並んでいます。3階は礼拝堂を上から見下ろす屋内バルコニーです。
この礼拝堂では、毎週日曜日9時から子どもたちの礼拝、10時半からは聖餐式が行われており、どなたでも自由に参加できるとのこと。
教会の小林聡牧師からは「神さまがいつも共におられること、そして特に困難な中に神様が共におられることをそっと心に留め、祈りの時をごいっしょしませんか」とお声掛けを頂きました。
暖かくなってくると、聖贖主教会は、よく手入れされた緑に囲まれます。特に緋寒桜がいち早く咲くとのことです。十三駅から少しのウォーキングを楽しみ、せわしない日常生活の心の洗濯をしに行かれてはどうでしょうか?

ところで、教会のほど近くに田川東公園があり、その公園の北西側の入口に「樋尻大橋」という小さな石の碑が建っています。詳細をご存知の方、ぜひご連絡ください!